2022年01月30日

『孤独と今の社会』考察

静岡県藤枝市のおばあちゃん劇団『ほのお』は、103歳で亡くなられた(2019年)元保健師の大石さきさんが主宰する笑いと涙そして勇気を皆に与えてくれる市民でつくられた劇団でした。介護予防を目的として1977年「ともしび」を結成しその後1987年「ほのお」と改名。以後、23年間近隣や県内外での要請に応じ、大石さきさん書き下ろしの作品にその時々のアドリブをいれ900回近く公演していました。
この劇は、悪徳商法をテーマに高齢者の『孤独と家族のあり方』をコミカルに描いている「悪の華」というタイトルの劇です。もちろん、主人公は孤独なおばあちゃんで、その役は大石さきさんその人が演じています。93歳でもなお現役の筋力パワー、とぼけた表情で"なりきる演技"がみどころでした。
今は、鬼籍となられた大石さきさん。高齢者が「活き活きと生きていく仲間づくり」を元保健師だった専門職を生かしながら地域に全国に向けて働きかけ普及に尽力してくださった先達者でした。天国の大石さん!ありがとうございます。


コロナ下で世の中が大きく変わってきた感があります。新聞やテレビで報道されるニュースを知るたびに『希薄な人間関係』『本当の繋がり』という言葉が頭をよぎります。世の中の今を象徴したかのように「となりのチカラ」というテレビドラマも最近テレビ朝日木曜ドラマで放送されています。価値観が多様化してきた昨今の、人と人が気軽に繋がって行くことの難しさをコミカルに描いている番組でした。ヤングケアラーの問題も扱っていました。

在宅医療に献身的に関わってくれていた医師が、患者の家族に散弾銃で撃たれ死亡したというやりきれない切ない事件も最近ありました。親の治療で介護していた加害者が医師とトラブったとありましたが、高齢者である私達にとっては、複雑な思いです。在宅医療に力を尽くしてくださった医師を失ったという悲しみ、加害者への怒り、そしてこれからの在宅医療が全体的に消極化するのではという不安等です。加害者の行為は、絶対に許しがたい犯罪ですが、独りで介護をしている中で「孤独」が「恨み」に変わり、独りよがりな被害者意識を増幅させて行ったのではと考えると行き場のない袋小路に入ってしまいます。合掌。

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